南仏を代表する老舗ホテル「Le Negresco(ル ネグレスコ)」に宿泊してきました。
ポストカードの写真としても使われることの多い、知る人ぞ知るニース&コート・ダジュールを代表するホテル。
世界中で宿泊したホテルの中で、ここネグレスコが圧倒的No. 1でした・・!
今後ここを超えるホテルに出会う事は二度とないかもしれない。
もうとにかく素晴らしいの一言でした。
とってもいい思い出になったので、忘れないように記録しておきます🌸
ホテルネグレスコ 宿泊記
ホテルネグレスコは1913年に創業を開始した歴史あるホテル。なんと1世紀以上も続く老舗ホテルです。
コート・ダジュールといえば誰もが一番に思い描く、南フランスを代表するホテルでもあります。
フランス・ニースを訪れた観光客は必ずという程ここネグレスコの写真を撮ります。
南フランスの絵葉書やお土産には必ずネグレスコが描かれているくらい、コート・ダジュールを代表するシンボルのような存在でもあります。
前回ニースを初めて訪れた時、ネグレスコを初めて見て「次にここへ来る時は絶対に泊まろう」と思った‥というよりかは「一生に一度は必ずここに泊まらなくては」と自然と思ったのでした。
ロマンみたいなものなんですかね。
そして今回二度目のニース旅行。今回はハネムーンで訪れたので、せっかくならという事で最上階のスイートルームに宿泊する事にしました。
スイートルームのお部屋の場所は丁度『Negresco』の大きな文字の下にある円形状の部分。
タレット(小塔)を含めた最上階の海側が全てスイートルームになっています。
早速ホテルへ入ります。
こちらがネグレスコのロビー
ロビーの奥へ進んでいくと、天井が高く広いホールがあります。
こちらは普段は絵画以外何も置かれていないスペースですが、私たちが訪れたこの日はレストランが改装中であったためホールがレストランとして使用されていました。
ここで食事ができるのはとっても貴重な機会なので嬉しい。ホールがレストランと使用されている事は滅多にありません。
下の写真はレストランが通常営業している時の様子。メリーゴーランドをイメージしたこれまた素敵な内装になっています。
普段は朝食会場もここ。このレストランでの朝食を目当てにネグレスコに宿泊する方も多いそう。
ホールにはこのホテルのオーナー夫妻の肖像画が飾られていました。
ネグレスコは1957年にとんでもなく桁違いの大富豪(こちらのオーナー夫妻)によって買収されたホテル。
ホテル内には夫妻のコレクションである絵画や彫刻、家具などの芸術品がなんと6000点以上も飾られています。まるで美術館・・!
実はネグレスコは夫妻の後を継ぐ後継者になる者がいない為、いずれホテルとしての営業をやめて美術館になるといわれています。
ネグレスコに宿泊したいと思っている方は早めに訪れた方が良さそう。
こちらはロビーから2階へ上がる階段。建物の造りにも歴史を感じます。
踊り場には大きな絵がありました。ネグレスコは6階建てで、全ての階の踊り場と廊下にそれぞれ違う芸術品が飾られています。
そして全てのフロアごとにテーマが異なり、テーマカラーや飾られている芸術品が階によって違うのでそれぞれの階をゆっくり探索してみるのがおすすめ。
館内散策もネグレスコに宿泊する楽しみでもあります。全部しっかり観ると1日楽しめる。
芸術品を楽しむ上流階級の人々に19世紀から長く愛され続けてきたネグレスコ。
こちらは1階ロビー前にあるエレベーターホール。エレベーターや消火栓、アンティークは時計やライトに至るまで19世紀からそのまま残されているのか?今では見かけることのない
こちらの真っ赤な扉は実はエレベーター。持ち手が鍵の形になっているのもまた素敵。心を擽られます。
エレベーターの扉は横にスライドするタイプではなく自動で前に開きます。こういったヨーロッパの旧式のものは映画の中でしか見たことがありません。
エレベーターの内部。エレベーターも創業開始当時のまま残されているようです。
エレベーターに乗ってお部屋に向かうまでにこんなにわくわくしたのは初めて。
最上階スイートルームへ
最上階の6階に到着しました。なんだかすごい事になっています。
エレベーターから降り正面の扉の方へ案内され、ここにはラウンジがあるのかな?と思っていたらなんと今日自分たちが宿泊するお部屋でした。
ここはビートルズを初めとする世界中の著名人や政治家、王族、日本の天皇陛下もが宿泊したお部屋。お部屋の入り口のドアは二重構造になっています。
なぜ私たちはこの部屋に宿泊するんだろうか?笑 こんなお部屋に泊まっていいんだろうか。
お部屋の入り口にある彫刻もまた高級そうな品が飾られています。私たちにはもはやよく分からない
この扉の向こうにスイートルームがあるのですが、最初にスタッフにお部屋まで案内してもらった時、あまりにもお部屋が広かったのでここが自分たちの宿泊するお部屋だと理解するまで時間が掛かりました。
豪華すぎてラウンジかと思ったよ!
お部屋の内装などについては長くなってしまったので別記事に書きました。ネグレスコ スイートルーム宿泊記を読んでください。
ホテル内部はまるで美術館
お部屋で少しゆっくりした後ホテル内を散策してみることにしました。
6階から階段で下へ降りていくと、踊り場にも様々な芸術品が飾られていました。フロアによってテーマが分かれていて、階段の色も全て違う。階ごとに雰囲気が全く異なります。
こちらはナポレオン3世。先ほど紹介した1階のホールはルイ16世やナポレオン3世に捧げられているそうで、ネグレスコはフランスの歴史上の人物とも深い関わりがあるそうです。
各階の廊下にはずらっと絵画が並んでいます。さらっと見るつもりでしたが素敵な絵が多くてつい見入ってしまいました。
コート・ダジュール以外の絵画もたくさんあり、フランス国内の世界遺産やイタリアのベネチアの素敵な絵もありました。
一階をうろうろしていたらこんな所を発見
昔のフランスの床屋さんの椅子。開業当時のネグレスコにはホテル内にバーバーがあったのかな。
こちらの扉の向こうはトイレ。
なんてお洒落なトイレよ。
男性用トイレはこんな感じ
1階にはお土産ショップもあります。
実はネグレスコファンは世界中におり、Negrescoのロゴが入った商品が人気だそう。
魅了されるホテルだよね。何度も訪れたくなる気持ちが分かります。
ネグレスコのプライベートビーチ
ネグレスコにはプライベートビーチもあります。
利用できるのは夏のみ。
ニースはGW〜9月くらいまでがベストシーズンなので、海も楽しみたい方は初夏〜夏に訪れるのがおすすめ。
冬はまた海の色が変わります(↓下の写真が年末年始の時期のニースの海)
ヨーロッパでも南の方は冬でも割と温暖なので、プールや海に入っている人も結構見かけます。
ネグレスコのBarでカクテルを
夜のネグレスコの外観も美しい。
夜はネグレスコの1階にあるBarへ。
こちらのBarもまた様々な歴史と芸術作品を楽しめる空間です。ネグレスコに宿泊したら夜は是非ここへ。
barの入り口にはマリー・アントワネットとその友人ランバル王女の大理石の彫刻があり、Barのシンボルになっています。
この彫刻はネグレスコが創業開始した1913年から残されているようで、当時はこういった英国風の装飾が人気だったそう。
Barの店内ではジャズ、ポップ、ソウルの生演奏が楽しめます(音楽のジャンルは日替わり)
私たちがこの訪れた日はジャズの演奏がある曜日だったので、せっかくならと演奏時間に合わせてBarを訪れました。
壁に飾られているタペストリーは1683年にブリュッセルで作られたもの。
ベルギーの上級貴族の家系であるアレンベルク王子とアルカレット王女の結婚の際につくられました。タペストリーには両家の紋章などが描かれています。
注文したのは、店員さんにこのBarでの一番のおすすめを尋ねたら一番人気だと教えてくれた「THE LEGEND ROYAL NEGRESCO 」35 €(写真左)
キルシュヴァッサーという蒸留酒をベースに、シャンパン、ラズベリーのシロップ、オレンジピールなどを合わせてつくられたカクテルです。
このbarの初代のバーテンダー(=ヨーロッパではバーマンという)である“M. Saporta”氏が作ったカクテルだそう。ずっと受け継がれているネグレスコの伝統の味です。
とても素敵なbarで、ニースの夜を楽しめました。
おわりに
ネグレスコを一言で表すなら、大富豪がコレクションしたものを集めた芸術の館。
それが趣味の範囲を超え最上級のサービスでおもてなしをするホテルとなり、一世代を築き上げたもはや単なるホテルではなく「歴史的建造物」
フロントスタッフからBarの店員さんに至るまで全ての従業員の接客やサービスが素晴らしいのはもちろんの事、
南フランスを訪れる人にとってまさに思い描いていたような滞在ができること、ここでしか味わえない気持ち、感動を与えてくれる所が素敵だなと思いました。
もう一つネグレスコに宿泊してみて感じたことは、オーナー夫妻自身もきっと旅行やホテルが大好きなんだろうなということ。
旅行好きな人、ビーチリゾートやホテルが好きな人が求めているものがそこにちゃんとあって、期待を絶対に裏切らない。
趣味を極めた人だからこそ出来る事なんだろうな。世界中の人に愛されるホテルには理由があると思いました。
ネグレスコはまた絶対に宿泊したいホテルNo. 1。近いうちにまたニースに来る事ができますように🌸