世界遺産にも認定されている、海に浮かぶ修道院『モン・サン=ミッシェル』。
ディズニー映画「塔の上のラプンツェル」の舞台にもなった世界中で有名な絶景スポットです。
実際に観光で訪れてみて、おすすめの行き方を発見したのでご紹介いたします✨
モンサンミッシェル
708年にアヴランシュ司教オベールが夢のなかで大天使ミカエルから3度に渡り「この岩山に聖堂を建てよ」とのお告げを受け、礼拝堂を作ったのが始まり。
モンサンミッシェルのMichaelというのは大天使ミカエルの事を指し、Michaelの読み方は英語では「マイケル」、フランス語では「ミシェル」。
モンサンミッシェルはモン(Mont=山)・サン(Saint=聖)-ミシェル( Michel=ミカエル)という意味だそう。
966年にノルマンディー公リシャール1世がベネディクト会の修道院を島に建て、増改築を重ね13世紀にはほぼ現在のような形に。
中世以来はカトリックの聖地として多くの巡礼者が訪れました。
アクセスは?
フランス西海岸 ノルマンディー地方に位置し、パリからのアクセスは電車とバスを乗り継いで約3時間半。
モンサンミッシェルへのアクセスを調べに調べまくって、辿り着いた一番いいアクセス方法というのが
日本人ガイド付きのバスツアー。
初めは候補になかったのですが‥。
おすすめの行き方
海外旅行好きあるある。バスツアーに頼らずに自力で目的地まで行きたい願望が強いんですよね。
私達もまさしくそれです。笑
ただ、今回は3つの理由からバスツアーを選ぶ事に。
バスツアーを利用するのは、初めて海外旅行をした8年前以降初めてです。なんとなくバスツアーというのは最初は気が引けたのですが・・
結果、バスツアー本当におすすめ!!と思ったのでその理由も含めてご紹介します。
① 1つ目はモンサンミッシェルのアクセスのしにくさ。
通常は特急電車(約2時間程)➕バス(約1時間半程)を乗り継ぐ必要があるのですが、乗り継ぎの多さにKO負け😨
そもそもその特急電車のある駅まで地下鉄を乗り継いで行かなくてはならず、一体何回乗り換えるんだ・・
なんせフランスの公共機関て分かりにくい。今まで20各国近くの国で電車を利用してきましたが、フランスはダントツで不便です。車内アナウンスがなかったり、地下鉄は乗り越し清算ができなかったり何かと難しい。
とは言いつつ、バスツアーに惹かれた一番の理由は《バスに乗って寝てれば着くんじゃない・・?》という怠惰な考えです。笑
ちなみに、電車で行く方はRAIL EUROPEの公式サイトで事前にチケットを購入しておく事をおすすめします。
② 2つ目は、モンサンミッシェル周辺の天気の崩れやすさ。
モンサンミッシェルの気候はパリとは違い、寒い。そして天気が崩れやすい。
ノルマンディー地方は雨や曇りの日も多く、霧が出る事も多々あります。また潮風の影響もあり、とにかく体感温度が低い。
私たちはGWに訪れたのですが、モコモコの冬用のアウターを着ても寒いと感じるくらいでした。モンサンミッシェルに着く直前まで雨が降っていて、観光中は天気を保っていましたが、バスに戻る頃には濃霧に変わりました。
この気候で電車での個人旅行はちょっと大変かもしれない・・。旅行感があっていいかもしれないけど (← 肝心のモンサンミッシェルを楽しめる体力が削られちゃうのは本末転倒ね。
③ 3つ目は、バスツアーなら日本語で詳しく説明を聞ける事。
結局バスツアーの何が一番良かったのかというと、 その名所の歴史や背景まで事細かく説明してくれる事。
私のようなズボラな人間は、歴史的建築物の歴史すらよく調べずに訪れてしまう事が多々あるので、遺産をみても「わあ〜すご〜い!」で終わってしまう事もよくあるんですよね。
知識を得て行くか否かでは楽しみや感動が3倍は違う。もう全然違う。
モンサンミッシェルのような背景に宗教や文化が深く関係している所は、詳しい方に分かりやすく説明してもらうのが一番だと感じました。
しかも今回利用したバスツアーでは、モンサンミッシェル以外についてもたくさんの事を教えてくれました。
バスツアーって、「はーい!こちらが東京タワーでーす!(元気いっぱい)」みたいなものを勝手に想像していたので気が引けていたのですが、このツアーは寝ようと思ったら寝れるくらいの丁度いいトーンで話をしてくれるので、むしろ話が頭にすんなり入ってくる。
窓の外の景色をボーっと見ながらガイドさんの話を聞いているのが非常に心地良かったです。
バスツアーでモンサンミッシェルへ
集合場所は朝7時にオペラ座の駅から徒歩1分くらいの所にあるバスツアー会社のラウンジ。
私たちが到着した頃には同じバスで出発する日本人観光客の方がたくさんいらしていました。
オペラ座はパリの中心部に位置するのでアクセスしやすいです。
みなさん時間通りに集合したので定刻に出発。日本人の協調性って本当に素晴らしいですよね!
今回のバスツアー参加人数は40人程。ゴールデンウイークという事で普段よりは少し多めなのでしょうか。
バスの中は無料でWi-Fiが使えます。座席も結構座り心地良いです。
シャンゼリゼ通りを抜け、凱旋門の前をぐるっと回っていきます。
シャンゼリゼ通りでのテロ以降この近辺には近寄らないようにしていたので、バスの中から見る事が出来て有難いです。意外と大きくてびっくり!
高速のサービスエリアに寄りつつ、パリを出発してから2時間半後に ノルマンディー地方のいなか村に到着します。
どこの村に寄るかは曜日によって変わるそうなのでご確認を。
ブブロン村
私たちが訪れたのは、フランスで最も美しい村の一つと言われるブブロン村。
人口200人しか住んでおらず、自然が多く残る小さくて可愛らしい村です。
おとぎ話の絵本に出てきそうですね。ノルマンディー地方の名産品はバターキャラメルとりんごのお酒。
オリジナルのキャラメルを作って販売しているお店が多いです。濃厚で自然の味がして美味しかったです。
パリで売っているお土産は、I love paris!エッフェル塔!みたいなどちらかというと量産された商品が多い印象ですが、この村で売っているものは手作りの素敵なデザインのものが多く、一点ものが多いのも魅力。
帽子や洋服などもとても可愛いです。
この村に新しくできたマカロンのお店に行ってみました。店内が可愛い・・♡
喫茶スペースも。可愛すぎて悶絶😊
マカロンは種類が豊富にあります。一個1ユーロ(約120円)。店員さんのおすすめはレモンだそうです。
私はりんご・りんごのお酒・洋ナシ・ピスタチオを購入しました。おすすめを聞いておいて買わないっていう笑
これ、二つともりんごの絵なのですが違う味なんです。
pomm (ポム) はフランス語でりんご。calvados (カルヴァドス) は、フランスのノルマンディー地方で造られるリンゴを原料とする蒸留酒の事。ですので右側はりんごのお酒味です。
私はcalvados が気に入りました。
さらに2時間程バスに乗ると、いよいよモンサンミッシェルに到着します。
名物のオムレツを堪能
モンサンミッシェルの名物といえば、ふわとろの伝統的なオムレツ。なんと材料は卵とバターの二つだけ!
オムレツランチ付きのツアーに申し込んだので、そのままレストランに案内してくれます。
まずは先ほどご紹介した、ノルマンディー地方の名産品であるcalvados (カルヴァドス) というりんごのお酒が振舞われます。
アルコール度数は低いので、お酒が苦手な方も飲みやすいと思います(ミネラルウォーターにも変更可)。すっきりしていて飲みやすいです。
そして前菜のサラダ。左上の紫色のものは何だったか忘れてしまいましたが、日本では食べた事のな不思議な食感。
オムレツは大きなフライパンで作ったものを、ウェイターさんが一人一人のお皿に取り分けてくれます。
オムレツの周りに泡のソースをかけたら、出来上がりです。
ここに到着する前にバスの中でガイドさんが言っていた、
「今は24時間コンビニで何でも食べ物が手に入る時代なので、もしかしたらこのオムレツは美味しいとは思わないかもしれないけれど、当時の方々にとってはご馳走でした。」という言葉が印象に残りました。
比較的裕福な時代に生まれて、こうやって旅行が出来る事に改めて感謝しなくてはいけないと思いました。
色々な事を考えさせられながら食べたお味の方は、普段濃い味付けのものばかり食べている私にはまさかの無味無臭でした。
食生活を改善しようと思いましたね。笑
最後にりんごのデザートを食べたら、各自島に向かって出発します。(ここからは自由行動になります)
島内へ
島内に入るには専用のシャトルバス(無料)に乗ります。徒歩でも行けますが35~40分程掛かります。
シャトルバス以外にも馬車に乗って行く事もできます。
馬車に乗ろうと思っていたのですが、所要時間が40分程掛かるらしいのでやめました。徒歩と同じ時間掛かるとはw
シャトルバスでは10分程で到着します。バスを降りるとモンサンミッシェルはもう目の前に✨
世界遺産に登録されているのは、実はモンサンミッシェルの修道院単体ではなく『モン=サン=ミシェルとその湾』。
そのため英語表記では「Mont-Saint-Michel and its Bay」、フランス語表記では「Mont-Saint-Michel et sa baie」となります。
実は、同じく干潮時と満潮時で景観を変える日本の世界遺産厳島神社がある広島県廿日市市と、モンサンミッシェルは観光友好都市です。
元々島と対岸には橋がなく、今ある橋は2014年に新たに完成したもの。
ここでは潮の満ち引きの差が15メートル以上あり、以前は満ち潮の時には海に浮かび引き潮の時には自然に現れる陸橋で陸と繋がっていました(トンボロ現象)。
満潮になると沖合い18kmまで引いた潮が猛烈な速度で押し寄せるため、以前は多くの巡礼者が潮に飲まれて命を落としており「モン=サン=ミシェルに行くなら、遺書を置いて行け」という言い伝えがあったそう。
島内に入るとすぐに有名なオムレツ店が。創業者「プラールおばさん」(la Mère Poulard)のオムレツ(スフレリーヌ)が名物料理。
ここのホテルに宿泊すれば、モンサンミッシェル島内に泊まる事が出来るんですね。島内には細い階段がいくつかあり、ちょっとした迷路のような地形になっています。
半分くらい登った所から見下ろすと、島内にはお土産やさんの建物が意外とたくさん建っている事がわかります。
修道院へ続く道の途中にはお墓が。元祖オムレツ屋さんの創業者である「プラールおばさん」という方のお墓もあります。ここにはモンサンミッシェルの歴史をつくってきた方々が眠っておられるのでしょうね。
このお墓の隣には、ジャンヌダルク像があるサン・ピエール教会があります。
修道院は島の一番高い所にあるので、ひたすら階段を上っていきます。ヒールは履いていかない方が良いですよ。
島内には所々に日本語の表記が。モンサンミッシェルへ訪れる日本人観光客の方は結構多いのでしょうね。
修道院入り口には90段からなる大階段が。頭上には侵入者を狙い撃つための橋があります。
入場チケットを持っている方は左側・これからチケットを買う方は右側へ進みます。荷物検査を受けたらいよいよ内部へ。
入り口から続く大階段を登りきると、西のテラス(Terrasse de I’Ouest)に出ます。
海抜80mの地点から湾の景色を見渡す事ができます。橋がなかった時代にここまでたどり着くのは、本当に大変な事だったと思います。
こちらは修道院付属教会(Eglise Abbatiale)
11~12世紀に建てられたノルマンディロマネスク様式の身廊と、1523年に完成したゴシック様式の内陣。
食堂(Réfectoire)
僧達が食事を取った場所。
貴賓室(Salle des hôtes)
来客用に使用された貴賓室。ゴシック様式最盛期のものです。
途中から写真を撮るのをやめたのですが、まだまだ見所はたくさんあります。
修道院を出たら、お土産やさんの並ぶ道を下りながら島の入り口へ戻ります。
ショップはいくつもありますが、だいたいどこのお店でも同じような商品が売られています。
最初こそ「ラプンツェルのお城だー!」とはしゃいでいましたが、多くの方が命を懸けて巡礼に訪れた場所である事を忘れてはいけないですね。
積み重ねてきた長い歴史と文化を目の当たりにしてまた違う発見が多くありました。
帰りのバスからの車窓。幻想的に浮かび上がるこの景色が一番のお気に入りです。
遠くから見てもしっかりと存在感があります。
モンサンミッシェルのあるこの地方は天候が崩れやすく、この日もバスでちょっと離れた後すぐにモンサンミッシェルが霧に包まれました。
これはこれでまた幻想的な・・。
ツアーの予約方法
今回利用したバス会社は、パリ発 モンサンミッシェル 日帰り観光バスツアー(日本語アシスタント付き)です。
プランがいくつかありますが、私たちは修道院への入場料と昼食のオムレツが付いたプランにしました。
日本語を話せるアシスタントさんがいるのは何かと安心で、昼食のレストランでも色々とフォローしていただいたり、修道院散策の際は気になる事をすぐに質問できたり、さらにはツアー終了後に予約していたレストランまでの行き方まで教えていただきました。
日本語のアシスタントなしでも、モンサンミッシェルの説明だけ日本語で聞ければいいという方は日帰り観光ツアー予約(日本語オーディオガイド or 英語ガイド)もおすすめだと思います。
おわりに
普段は個人旅行派なので、バスツアーを利用したのは今回が初めてでした。バスツアーがこんなにいいとは思わなかった。
またどこか違う国で歴史の深い文化遺産を訪れる際にはバスツアーを利用してみようと思う程、満足でした。
モンサンミッシェルの日本人ガイド付きバスツアー、おすすめです!