ホテルライクな洗面所=「清潔感」「洗練された」「おしゃれ」「高級感」「生活感がない」こんなイメージでしょうか。
難しそうに見えて、ポイントをおさえれば意外と簡単につくれるホテル風の洗面所。
この記事では、実際に宿泊した海外の高級ホテルのおしゃれな洗面所インテリアコーディネートと共にホテルライクな洗面所をつくる際のポイントを紹介していきます。
① インテリアの色を統一する
ホテルライクな洗面所をつくる一番のポイントはずばり、空間全体の色味を統一させること。小物を含めたインテリアの色を3色以内におさえると一気に洗練された印象になります。
白を基調としたホテルらしい洗面所
ホテルライクな洗面所の王道はやはり白を基調とした高級ホテルを思わせるような内装。洗面台や壁紙、ドアや照明まで白で統一することでホテルらしい洗面所に。
@フランス パリ
- 洗面ボウル : 埋め込み型
- 蛇口 : コンビネーションタイプ
- 天井照明:シーリングライト
- 鏡照明:ブラケットライト
このホテルは古くから続くフランスの邸宅(ナポレオンの親戚の王子が住んでいた!)を改装した高級ホテルで、アンティークな照明やヨーロッパの伝統的なつくりが残されています。(参照:シャングリ・ラ ホテルパリ宿泊記)
ホワイトを基調としたインテリアにゴールドをアクセントとして取り入れた洗面所は高級感があります。主張しすぎないけどおしゃれな壁紙もポイント。壁紙や洗面台だけでなくドアやブラケットライト、ティッシュケースまで白で統一されていて、シンプルだけど上品にまとまっています。
鏡に埋め込まれたテレビは結構な高額オプションになるけど(!)ドライヤーや歯磨きしながらテレビを見たりできて便利。
② 小物や収納で生活感を隠す
洗面所は家の中でも特に生活感が出やすい場所。毎日使う場所だから仕方ないけれど、生活感が出るとどうしてもホテルライクなイメージからは遠ざかってしまいます。そんな時の解決法は ① 収納を増やして生活感を隠す ② 小物をインテリアとして考える この2点がポイント。
ヨーロッパのホテルライクなおしゃれな洗面所
@ホテルミラコスタ
- 洗面ボウル : 埋め込み型
- 蛇口 : コンビネーションタイプ
- 天井照明:コーブ照明
- 鏡照明:ブラケットライト
こちらはディズニーシーにあるホテルミラコスタの洗面所。(参照:ホテルミラコスタ宿泊記)ミラコスタはイタリアをイメージしてつくられたホテルです。
ミラーやタオルハンガーなどがアンティーク調のインテリアで揃えられていておしゃれ。ヨーロッパのお城を思わせるような高級感のある洗面所です。
ハンドソープやコップなどどうしても生活感が出てしまいがちなものは全て同じ色の小物で揃えることで、インテリアに統一感が出て物が多くてもがちゃがちゃとした印象がなくなります。タオルはあえて見える所に置く “見せる収納” 、ドライヤーは引き出しの中に収納されています。
照明にも注目。天井照明はコーブ照明、ミラーライトはブラケットライトを使用しています。コーブ照明というのは光を天井に反射させる間接照明のことで、折り上げ天井の内側に棒状の照明をつけたもの。このタイプの照明はホテルに多く、高級感があり癒し効果も抜群。
③ 壁紙やタイルでおしゃれに
シンプルで生活感のない空間を「殺風景」で終わらせない、よりホテルライクな洗面所をつくりたい時に鍵となるのがタイルや壁紙。タイルは材料費や施工費が高いですが、デザイン性に優れているだけでなくサッと拭けば汚れが落ちるのでお手入れが簡単というメリットもあります。
壁全面タイル張りのおしゃれな洗面所
タイルは意匠性が高いため自分好みの空間を作りたい方に特におすすめ。タイルのサイズや色によってデザインが大きく変わるので、デザインの自由度が高いです。
@フランス パリ
- 洗面ボウル : 埋め込み型
- 蛇口 : コンビネーションタイプ
- 天井照明 : ダウンライト
- 鏡照明:ダウンライト
このホテルはフランス・パリの高級ホテルで、アジア系のホテルグループが手掛けているためヨーロッパらしい雰囲気の中にオリエンタルな要素が入った造りが特徴。
タイルの壁面がダウンライトの光に照らされ、煌びやかな空間を創り出しています。洗面台にある小物類もタイルと同じ柄で揃えているのもポイント。
タイルは水に強く耐久性が高いので、洗面所やキッチンなど水回りに最適。おしゃれなだけでなく実用性も高いので人気があります。またタイルは比較的自由にデザインを選べるので、他にはない洗面所を作りたい方にもってこい。
部分的にタイルを施したおしゃれな洗面所
タイル張りの洗面所にしたいけど予算が足りないという場合は、壁全面に施すのではなくアクセントとして部分的に貼ることで費用を少し抑えることができます。
@モナコ
- 洗面ボウル : 埋め込み型
- 蛇口 : コンビネーションタイプ
- 天井照明 : なし
- 鏡照明:ブラケットライト
このホテルはモナコにある高級ホテルで、世界中の富裕層が集まるモナコらしい高級感のあるインテリアが特徴です。
こちらは床のみにタイルを施しているタイプの洗面所。部分的にタイル張りする場合は鏡下から水道台の壁面に張るのが一般的ですが、足元のみにタイルを張ることでよりホテルライクでおしゃれな空間が出来上がります。
壁付けのティッシュケースや洗面台から離して取り付けられたタオルハンガーの位置もポイント。また壁と洗面台を同じデザインにする事で全体的に統一感が出て洗練された印象になります。
④ 照明にこだわる
ホテルライクな洗面所をつくるには照明も重要。洗面所には天井照明とミラーライトの2つの照明を用いる事が多いですが、特に大事なのはミラーライト。鏡まわりの照明によって洗面所の雰囲気が大きく変わります。
人工大理石がおしゃれな洗面台
伝統的なヨーロッパの高級ホテルは洗面所のミラー照明にブラケットライトを使用している所が圧倒的に多いです。アンティークな照明がクラシカルな雰囲気を醸し出し、優雅な気分にさせてくれます。
@イタリア ミラノ
- 洗面ボウル : 埋め込み型
- 蛇口 : コンビネーションタイプ
- 鏡照明:ブラケットライト
このホテルはイタリア・ミラノに比較的新しくできたホテル(参照:パラッツォ パリジ ミラノ宿泊記)で、クラシックなヨーロッパのインテリアというよりは現代の欧米人に好かれるようなモダンな内装です。
「外国のホテル」といえばこういったおしゃれなブラケットライトをイメージする方も多いのでは。ブラケットライトというのは壁に取り付けられた照明の事。スタンドライトのように置くスペースを取らないので場所を選ばず取り付けられ、また鏡の横に照明を置くことで顔が影にならないというメリットもあります。
ちなみに洗面所のポイントとなる人工大理石の洗面台は高級感がありデザイン性に優れているだけでなく、汚れが目立ちにくいというメリットもあります。
LED一体型ミラーライト
最近のホテルに多いLED一体型ミラーライトは、LEDライトを鏡の裏に付けて間接照明にしたタイプのミラー照明。よりシンプルで洗練された印象になります。
@モナコ
- 洗面ボウル : 置き型
- 蛇口 : コンビネーションタイプ
- 天井照明 : ダウンライト
- 鏡照明:LED一体型ミラーライト
こちらはモナコにある比較的新しい高級ホテルのスイートルームの洗面所。(参照:モンテカルロベイ宿泊記)
ミラーがシンプルな分、置き型の洗面ボウルで立体感を出していてデザイン性の高い洗面所ですね。
近年日本の住宅にも使用される事が増えているLED一体型ミラーライトは、シンプルでありながらラグシュアリー感もあり、ライトが鏡の裏にあることで顔に影ができないというメリットもあります。まさに実用性とおしゃれを兼ね備えた最新の技術。
ハリウッドライト
直管型ライトを鏡横に縦に取り付けたタイプのハリウッドライトは、いわゆる「女優ミラー」と同じ役割をしてくれる優れもの。明るく顔が影にならないのでメイクや顔剃りの時に最適です。
@スペイン マヨルカ島
- 洗面ボウル : 埋め込み型
- 蛇口 : ワンホールタイプ
- 天井照明 : ダウンライト
- 鏡照明:LED一体型ミラーライト
こちらはスペインのリゾート地、マヨルカ島にある高級ホテルの洗面所。
通常洗面所は照明を暗めにするのが推奨されていますが(寝る前に明るい電気の下で歯磨きをしたりすると目が覚めてしまうから)、ミラーライトだけは明るいものを選ぶのがおすすめ。
その理由は、風水では洗面所でメイクや髭剃りなどをすると美容運が下がると言われており、明るいライトを付けることでそれらを回避できるとされているから。やっぱり洗面所でお化粧したい派の人は一定数いるはず。そんな時はLEDの明るいミラーライトを使ってみてくださいね。
⑤ 横幅を広めにとる
ホテルの洗面所は奥行きよりも横の幅を広く取っている所が圧倒的に多く、鏡が横長で広々としています。「2ボール」と呼ばれる水道が2箇所あるつくりも多いです。
リゾートらしいアジアンテイストな洗面所
@モルディブ
- 洗面ボウル : 置き型
- 蛇口 : 自動水栓
- 天井照明 : なし
- 鏡照明:ブラケットライト
こちらはモルディブの水上コテージ(参照:アナンタラディグ宿泊記)の洗面所。アジアンテイストで心落ち着く内装です。
広くて使いやすい洗面所ですが、よく見るとバスルームへ続く通路を利用してつくられています。洗面所の横幅を広くとるのは一見難しいと思われがちですが、ホテルの洗面所は通常なら廊下になるスペースなどを上手に使って広い洗面所をつくっているケースが多いです。
それもそのはず、ホテルは住宅以上に限られたスペースの中で空間を無駄なく使いそして更にラグジュアリーさを演出しなくてはならないため、効率の良いレイアウトデザインに長けています。このアイデアをホテルライクな家づくりに取り入れていくと良いヒントになるかも。
石造のボウルが特徴の和モダンな洗面所
@アマン東京
- 洗面ボウル : 半埋め込み型
- 蛇口 : コンビネーションタイプ
- 天井照明 : ダウンライト
- 鏡照明:LED一体型ミラーライト
こちらはアマン東京(参照:アマン東京宿泊記)の洗面所で、モダンなインテリアに和の要素を取り入れた「和モダン」がコンセプトのつくり。石造りの洗面ボウルと洗面台は重厚感がありますね。
こちらも同様、トイレからバスルームに続く廊下部分を利用してつくられた横に広い洗面所。洗面所と反対側はリビングになっていて、襖を閉めると独立した洗面所になります。
ホテルライクの洗面所をつくる時にNGなこと
× 収納付きの三面鏡
ホテルライクな洗面所を作りたい時に一番やりがちなのが、収納を増やすために鏡裏収納の付いた三面鏡を選んでしまうこと。
私の個人的な意見ですが、正直言うとこの収納付三面鏡自体が一番生活感があるというか・・。絶対にホテルでは見かけないつくりなので、これを付ける事でより一層「家感」が強まってしまうと思います。
たしかに鏡裏に収納が増えると生活感のあるものを隠したり出来るメリットがあるけど、そもそもホテルというのは「物が少ない」というのが一番の特徴であるので、ホテルライクな家づくりを目指す方はまず一番に物を減らすことに力を注いだ方が良いかもしれません。
× 100均の収納を使う
これもホテルライクな洗面所づくりの際にやりがち。ハンドソープを100均の容器に移し替えたり、歯ブラシを100均のグッズで吊るしたり・・。
一見100均の商品に見えないものでも、やっぱりよく見れば100均は100均です。高級ホテルにのすごい所は、まず「これ、100均で買えそうだな」と思う物が置かれていないこと。せっかくいい洗面所を作っても、100均の物を置く事でチープな印象にしてしまうのは勿体ないです。
× 歯ブラシなどを収納して隠す
歯ブラシやコンタクトケースなど本来は乾かしながら保管しないといけない物を、生活感を隠したいがために戸棚や引き出しにしまうのは本当に不衛生なのでやめた方が良いです。
特に歯ブラシは一本置くだけで雰囲気をガラッと変える程破壊力があるので気持ちは分かりますが・・笑 こればかりはやはり家族の健康や衛生面の方が大事。もしどうしても隠したい場合は、来客がある時だけなどにしましょう。
おわりに
洗面所は一日の始まりと終わりの時間を過ごす場所だから、お気に入りの空間に仕上げたい所。
ホテルライクな洗面所は清潔感とラグジュアリー感がありとっても素敵ですね。生活感のないシンプルなインテリアが好きな方には堪らない空間が出来上がるはず。
今回は洗面所をメインに書きましたが、ホテルライクな家づくりで参考にしたいインテリアコーディネートのその他のお部屋の記事も読んでくださいね。
〜ホテルライクな家づくり〜
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